「現代ファシズム論」山口二郎著
「現代ファシズム論」山口二郎著
ほとんどの民主主義国で政治に対する不満は絶えることはないが、代表民主主義と政党政治そのものへの支持は持続していた。しかし、2016年に、英国では国民投票でEU離脱が決定され、米国では大統領選でトランプが勝利するなど、常識では考えられないような非合理な選択を人々は行った。
国民投票で自滅的な選択をすることと、人権を否定する粗暴な男を選挙で勝たせることはいずれも1930年代のドイツで起きたことと同じだ。2010年代以降の民主政治の混乱、社会における少数者への差別や抑圧などの現象を見ればもはや先進国はファシズムの入り口に来ていると言っても過言ではない。
本書は、歴史を振り返り、民主政治の動揺がどのような意味でファシズムへの接近をもたらしているのか、現代政治の陥る病について考える。 (朝日新聞出版 990円)


















