楠田枝里子さんがハマる消しゴム収集 「魅力は“滅びの美学”」

公開日: 更新日:

デザインやパッケージにお国柄が見えます

 コレクション総数2万個! フリーアナウンサーの楠田枝里子さん(62)は国内はもちろん、海外約40カ国で作られた消しゴムを収集している知る人ぞ知る名コレクターだ。99年には、その中から約1300点をピックアップして紹介した「消しゴム図鑑 Eriko’s Encyclopedia of Erasers」を出版している。その魅力とは?

 私が消しゴムに興味を持ちはじめたのは、三重県伊勢市に住んでいた小学生時代です。面白い形をしたユニークな消しゴムを見つけるたびにそれを買い求め、机の引き出しに保存するようになりました。当時はコレクションといった意識はありません。でも東京理科大に進学、上京するために机を整理した際、「あら、こんなに?」と思うほどたくさんたまっていて、それ以来、意識して収集を続けてきたのです。

■なるべく触らないように…

 最新の消しゴムはプラスチック製が多くなりましたが、ゴム製のものもあるので、保管の際は劣化に細心の注意を払わなくてはなりません。窓には紫外線防止フィルムを貼り、天井の照明器具も美術館用のもの。手の脂やライトがゴムに悪影響を及ぼすので、なるべく触らないようにしていますし、取材撮影もこのところご遠慮させていただいています。

 消しゴムは、たとえそれが間違いであったにせよ、いったん出来上がった世界を消滅させるために、生まれてきたもの。しかも対象を破壊するだけでなく自らも身をよじりながら、自他ともに消失していく……。そこに滅びの美学があって魅力的なんですね。

 最近は、消しカスが残らないタイプも出てるでしょ。実に鮮やかな身の処し方ですよね。しかも、そんな悲しい宿命を負っているにもかかわらず、外見はあくまでカラフルでかわいらしく、おどけてみせるところなど、胸を打ちますね。

 また、デザインやパッケージに、それぞれのお国柄や民族性が見えてきます。例えば、アメリカ製はポップでカラフル、愉快な格好をしています。フランス製はオシャレで洗練されたデザインのものが多い。大胆な発想や色使いが際立つスペイン製の中でも、とりわけ秀逸なのは赤ん坊の消しゴムです。毛先をカールし大きく口をあけた赤ん坊の丸々とした頭が消しゴムで作られていて、赤の水玉、あるいは青の花柄の布きれの洋服を身にまとっています。襟のギャザーと、結ばれたリボンが愛らしい。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束