家賃7000円さえ払えず親肩代わり…廣木隆一監督の赤貧時代

公開日: 更新日:

 実際、それから約3年後、映画「性虐!女を暴く」(1982年)で監督デビューすることができ、ピンク映画が中心の作品に携わるようになりました。

 ただ、資金繰りからギャラの配分といったプロデューサーの仕事も兼業だったりして、撮影が4日から5日で手元に残るのが3万円とか5万円という世界。ありとあらゆる映像の仕事はやりましたけど、生活はカツカツでしたね。

■風呂なし3畳生活、夜は新宿ゴールデン街へ

 上京当時の住まいは杉並区の家賃7000円の風呂なし3畳。それを半年間、滞納して、両親に肩代わりしてもらったりしていました。当然、銭湯に行く金もなく、袋のインスタントラーメンなどで食いつなぐしかない。栄養価を考えたら、とても持ちませんが、夜になれば、新宿ゴールデン街に繰り出して酒を飲んでいた。チャージだけ払えば、監督のボトルがあるし、仲間もいて、何とかなったんです。日刊ゲンダイでライターをしていた方にも、よくおごってもらったものです。

 仲間と顔を合わせれば、いつも始まるのが映画の話。公開中の作品をけなしたり、俺ならこう撮ると語ったり。映画って「若松(孝二)組」とか「高橋(伴明)組」と、なぜか派閥があって、隣り合わせるとすぐけんかになったりするんです。よくやったものですよ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」