“上方の爆笑王”落語家・桂雀々さんが語る壮絶「極貧生活」

公開日: 更新日:

 その揚げ句、オトンはボクを残したまま夜逃げ。たまに生活費を1000円、3000円と置きに来たんやけど、独りぼっちで暮らさないかんようになりました。

 しかも、電気もガスも止められ、夜はロウソクの明かりだけが頼り。ご近所の人が気遣ってくれはったけど、毎度毎度迷惑かけるのも心苦しいから、我慢して食うや食わずですわ。それでも借金取りはよもや子供を見捨てて一人で夜逃げするような親はいてへん思うから相変わらず来ますわね。その一人がボクに生活費をくれた闇金融やった。最初は「こりゃ殺される」とホンマに覚悟したほどエライけんまくでね。ボクは泣き落とししか手はないわけですわ。ワンワン泣いてオッサンの足にすがるように窮状をしゃべりまくった。

 その切羽詰まった様子にオッサンも同情してくれはったんやね、きっと。で、小遣いくれただけやなく、その晩以来、ピタッと借金取りは来んようになった。ホンマ、人間死ぬ気になったら何でもできる、思いましたわ。

■ラジオから聞こえた「狸の賽」で落語に出会う

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ