“上方の爆笑王”落語家・桂雀々さんが語る壮絶「極貧生活」

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 東京へ拠点を移して4年目。“上方の爆笑王”の異名を持つ、売れっ子落語家、桂雀々さん(54)は10代の頃、想像を絶する極貧生活を送っていた――。

「おまえ、あす生活する金あらへんやろ? 電気代払う金もあらへんやろ? 少ないけど、とっとけ」

 こう言うとね、オトンのつくった借金を取り立てに来た闇金融のオッサンは、財布から1000円札を5枚抜き出し、涙で顔をグシャグシャにしながら、しゃがみこんでるボクの手のひらの中に握らせてくれたんですわ。

 ボクが中学1年、1972年の6月やった。オトンは屋台のうどん屋やってたんやけど、下手の横好きのギャンブル狂でね。ぎょーさん借金こさえとったんですわ。それが原因でオカンが小学6年の4月に蒸発。それで少しは反省するかと思うたら、ますます輪をかけてギャンブルにハマり、しまいには闇金融にも手ぇ出す始末。年中、住んでた市営住宅に怖いオジサンが取り立てに来てました。

 ボクが中学に進学してすぐの頃、オトンが最後に望みを託したんはピラニアの養殖ですわ。そんなんうまくいくはずがない。1カ月ほどしたある日、一挙に全滅してしもうてね。夢も希望もなくしたオトンはその日の深夜、ボクに包丁向けて心中しようとしたんやから、まあ、しようもない父親ですわね。

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