高1で作家を意識 “早熟の天才”羽田圭介氏「芥川賞」への軌跡

公開日: 更新日:

 ピース・又吉の芥川賞で存在がかすんでしまったが、変わり種という意味では“又吉じゃない方”の受賞者、羽田圭介氏(29)だって負けていない。

 受賞の吉報は銀座のカラオケボックスで作家仲間と一緒に待ち、「決定」の際は聖飢魔Ⅱの「WINNER!」を歌おうと、デーモン閣下の白塗りメークをしてスタンバイした。受賞の知らせに慌ててメークを落として駆けつけ、会見では「プロの方に選んでもらう賞で受賞できてうれしい」と喜んだ。

 受賞作「スクラップ・アンド・ビルド」は、28歳の無職の孫と87歳の要介護の祖父との日常を描いた物語。月3回愚痴を聞きに行く要介護の祖母の実体験からひらめいた。「相手の顔が見える状態で、異なる価値観の相手にどういう行動を起こすのかを書きたかった」という。

 1985年10月、東京都生まれ。文章に興味を持ったのは、中学受験で塾に通った小5の時。夏休み、朝日新聞の天声人語の要約の日課をやらされるうち、4~5行でまとめる成功体験からハマった。埼玉の自宅から明治大学付属明治中学へ通う通学時間を読書に充てた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態