又吉の芥川賞で吉本と出版界はじく経済効果100億円の皮算用

公開日: 更新日:

「これは文学史的な事件です」と力説するのは作家でコラムニストの中森明夫氏だ。

 お笑いコンビ「ピース」又吉直樹(35)の「火花」(文学界2月号)が第153回芥川賞を受賞した。金屏風を背に会見に臨んだ又吉は「すごいビックリしました。ウソみたいな感じ」と謙遜していたが、選考委員の山田詠美氏は「最初の投票で(得点が)一番高かった」「どうしても書かざるを得ない切実なものが迫ってくる。欠点も多々あるが、何か強いものを感じた」と称賛。決してお笑い芸人が“余技”で書いたという、話題先行の受賞ではないことが証明された。前出の中森氏がこういう。

「『文学界』掲載時に読んで感動しました。芥川賞にぴったりの青春小説。素晴らしい表現者です。先日、新宿のバーでばったり又吉さんに会った際に“絶対に取ってくださいね”と話したばかりだったので、本当によかった。でもブームはこれから。芥川賞受賞作には石原慎太郎の『太陽の季節』をはじめ、柴田翔『されどわれらが日々』、庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』、村上龍『限りなく透明に近いブルー』、綿矢りさ『蹴りたい背中』などベストセラーになり、社会現象化した作品がありますが、『火花』もそうなります」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    彬子さま三笠宮家“新当主”で…麻生太郎氏が気を揉む実妹・信子さま「母娘の断絶」と「女性宮家問題」

  4. 4

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  5. 5

    ヤクルト池山新監督の「意外な評判」 二軍を率いて最下位、その手腕を不安視する声が少なくないが…

  1. 6

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  2. 7

    違法薬物で逮捕された元NHKアナ塚本堅一さんは、依存症予防教育アドバイザーとして再出発していた

  3. 8

    大麻所持の清水尋也、保釈後も広がる波紋…水面下で進む"芋づる式逮捕"に芸能界は戦々恐々

  4. 9

    “行間”を深読みできない人が急増中…「無言の帰宅」の意味、なぜ分からないのか

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発