「パロディーにあらず」 ウオッチャーが語る“タモリ芸”の原点

公開日: 更新日:

■相手が誰であれ楽しませようという姿勢

 一連のタモリが得意とする芸はそれっぽく再現されるため、パロディーと称される場合が多い。しかし、近藤氏は「単なるパロディーではない」とこう続ける。

「タモリはブレーク当時、81年6月号の『広告批評』のインタビューで、自分が重視しているのは『どうしたら対象になりきれるか、その心境にまでいけるか』ということであって、それはパロディーとは違うだろうと語っていました。そもそもパロディーは特定の対象があって初めて成立するはずですが、タモリの芸のレパートリーには寺山修司など有名人のモノマネがある一方で、中国人やNHKのアナウンサーなど特定の誰かを対象にしないモノマネも多い。『ヨルタモリ』で素人参加のモノマネ番組のコントがありましたが、そこではタモリがどこの誰とも知れない素人に扮した上、しかも披露するモノマネの対象がことごとく誰も知らない……というか、実在しない人物ばかりという、あれなんかはまさに究極ですよね。いかにもそういう人が存在しそうだと思わせる。最近のお笑いの世界でいえば、友近がなりきっている演歌歌手の水谷千恵子など、その手のネタの原点がタモリの一連の芸にあることは間違いないでしょう」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    センバツ人気低迷の真犯人!「スタンドガラガラ」なのは低反発バット導入のせいじゃない

    センバツ人気低迷の真犯人!「スタンドガラガラ」なのは低反発バット導入のせいじゃない

  2. 2
    三田寛子ついに堪忍袋の緒が切れた中村芝翫“4度目不倫”に「故・中村勘三郎さん超え」の声も

    三田寛子ついに堪忍袋の緒が切れた中村芝翫“4度目不倫”に「故・中村勘三郎さん超え」の声も

  3. 3
    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

  4. 4
    (6)「パンツを脱いできなさい」デビュー当時の志穂美悦子に指示したワケ

    (6)「パンツを脱いできなさい」デビュー当時の志穂美悦子に指示したワケ

  5. 5
    夏の甲子園「朝夕2部制」導入の裏で…関係者が「京セラドーム併用」を絶対に避けたい理由

    夏の甲子園「朝夕2部制」導入の裏で…関係者が「京セラドーム併用」を絶対に避けたい理由

  1. 6
    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  2. 7
    マイナ保険証“洗脳計画”GWに政府ゴリ押し 厚労相「利用率にかかわらず廃止」発言は大炎上

    マイナ保険証“洗脳計画”GWに政府ゴリ押し 厚労相「利用率にかかわらず廃止」発言は大炎上

  3. 8
    「大谷は食い物にされているのでは」…水原容疑者の暴走許したバレロ代理人は批判殺到で火だるまに

    「大谷は食い物にされているのでは」…水原容疑者の暴走許したバレロ代理人は批判殺到で火だるまに

  4. 9
    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

  5. 10
    大谷は口座を3年放置のだらしなさ…悲劇を招いた「野球さえ上手ければ尊敬される」風潮

    大谷は口座を3年放置のだらしなさ…悲劇を招いた「野球さえ上手ければ尊敬される」風潮