なまりで悩む斉藤暁を救う 先輩女優・吉田日出子の一言

公開日: 更新日:

 言葉のイントネーション、アクセントを必死に矯正して稽古するけど、また怒鳴られる……。これが入団から半年ほど経っても、まだ続いていました。その一方で、時間を見つけてアルバイトに精を出さないと食っていけない。毎日ヘトヘトです。

 そんなある日、デコ(吉田日出子)さんがまだ駆け出しの私たち新人と一緒に共演してくれました。その時、なまりを矯正しようとすることばかり考えて、落ち込んでいる私に、「その気持ちでいいから」という言葉をかけていただいたのです。「役づくりはいい方向にいってるわよ」という意味だと私は解釈しました。そして、「私の役はなまりがあるのだ」と自分で決めたのです。

 こう思うと気持ちが楽になり、以前にも増して役づくりに集中していけました。デコさんは演技力の高さがとても評価された、当時のアングラ演劇界のカリスマ女優。自由劇場の創設者のひとりとして幹部の中でも別格の存在でした。入団してそれほど間がない僕にとっちゃ、まさに雲の上の人だけに本当にうれしかった。

■帽子を奪うシーンなのに帽子がない!

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…