透けて見える社会問題…春の「ワークドラマ」評論家に聞く
春のドラマは働く人を描く「ワークドラマ」がトレンド。それぞれのストーリーを読み解くと、社会の問題点や生活する人の意識が透けて見える。ドラマ評論家の成馬零一氏と、ドラマウオッチャーのライター尾越まり恵氏に聞いた。
◇Missデビル 人事の悪魔・椿眞子(土曜22時/日本テレビ系)
「日本的な同調圧力のかかった企業体質を壊そうとすると、ヒールになってしまうという反転構造になっている。過去の業績にあぐらをかいて変わろうとしない大企業の体質は、もう通用しない。そんな風刺が効いていて、働き手の意識改革も描いています。会社にぶら下がりの時代は終わり、『あなたには会社を辞める権利がある』という言葉が効いています」(成馬氏)
◇ヘッドハンター(月曜22時/テレビ東京系)
「ミスデビルと同じテーマだけれど、テレ東は『カンブリア宮殿』や『ガイアの夜明け』と同じ22時枠で、ビジネス色が強く気合を感じる。価値観が多様な時代で、『働く人の真の幸せとは何か』を考えさせられます」(尾越氏)