著者のコラム一覧
山田勝仁演劇ジャーナリスト

「蜜柑とユウウツ~茨木のり子異聞~」 詩人の魂を昇華

公開日: 更新日:

 単なる評伝劇ではなく、作品と彼女を取り巻くさまざまな人々の視点から、時代に斬り結んだのり子の生涯を重層的に描く。

 演出のマキノノゾミは表面的な笑いを排し、ノリコの心の深層を丁寧に描くことで、人間の悲しみと滑稽さ、そして優しさを浮かび上がらせた。

 繊細なノリコを松金がチャーミングに演じ、はすに構えながらもノリコを愛おしむ分身を田岡、岡本がしなやかに演じた。

 一人の詩人の魂の再生の物語であると同時に、32年間苦楽を共にした3人の新たな再生への好舞台となった。

 12月14日まで全国巡演。 ★★★★

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった