中3で父が病に倒れ…高校入学と同時にアルバイトを始める

公開日: 更新日:

新田恵利編<1>

 私の生まれた1968年は187万人以上の子どもたちが生まれた。戦後のベビーブームほどじゃないにしても、住んでいた埼玉県上福岡市(現ふじみ野市)は駅の両側にマンモス団地が並び、小学校は学区に7校、中学は1クラス45人で8組あった。

 父は大工で、母とは再婚同士。私には10歳離れた姉と3歳上の兄がいて、父56歳のときの娘だったから、一緒に歩いたりしていると、「おじいちゃんみたいだ」と悪ガキにからかわれた。おじいちゃんじゃないよっていつも思ったものだ。

 父は甘かったけど大正生まれ。家事は女の役目という昔かたぎの男で、小学校の入学と同時にリンゴと包丁を渡し、剥いた皮が一本につながるようになるまで練習しなさいと言った。母は日曜には家族分の洗濯を終わらせてからじゃないと遊びに行くことを許してはくれなかった。

 近所に女の子はあさこちゃんと私だけ。ピンク・レディーのネグリジェを着て、家の前の路地で「UFO」や「サウスポー」をふたりでやると、夕涼みがてらの近所のおじさん、おばさんの目をひき、そこだけのアイドルに。私はケイちゃんだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗