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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

アンガール田中卓志は何事も客観視できる最強の“万能選手”

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 芸人も集まると、そんなふうに「アイツがあの番組ですげぇウケたらしい」という話でもちきりになるという。それを表して田中が言った言葉を今週は取り上げたい。

 アンガールズのブレークは早かった。コンビ結成後2年ほどでお笑いブームに乗り、「ジャンガジャンガ」を武器に「キモカワイイ」芸人としてブレークした。もともと、田中は早くから自分のキャラクターを自覚していた。ブサイクでなければ、自分は芸人になっていなかったという。

 学園祭のファッションショーで、消去法で自分がモデルとして出ることになってしまうと、出ていくだけで何もしていないのに笑われてしまった。その時に「人前に出たらウケる人間なのか」と思ったという(TBSラジオ「月曜JUNK ZERO バナナマンのバナナムーン」09年6月8日)。

 高校時代はイジメられていたが、サッカーで真面目にゴールキーパーをやっていただけで笑われ、その時からクラスでの立場が変わった。笑いに救われたのだ。

 何事も客観視することができる田中は「キモカワ」キャラにとどまらず、「そろそろにちようチャップリン」(テレビ東京)などでも、お笑いを分析し愛情たっぷりに解説するというポジションを確立した。

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