二田一比古
著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

出版、映画、ご意見番…松本が辿るビートたけしが作った道

公開日: 更新日:

 たけしには「たけし軍団」なる子飼いのタレントがいた。たけしの陣頭指揮の下、軍団の体を張ったリアクションは一世を風靡した。松本も吉本の後輩芸人を使い「ガキの使いやあらへんで!」(日本テレビ系)などをつくった。こちらは今も松本の代表的な人気番組になっている。唯一、たけしの後を追えないのが役者ぐらい。

 成否はともかく、たけしがつくってきた道をたどってきた松本。決定的に違うのは、たけしは自分の会社でいろいろなジャンルに挑戦してきたが、松本は吉本所属のタレントの一人。会社を大きくした功労者とはいえ自分のやりたいことができたのも、大崎氏との盟友関係がなせる業だったと思う。今週発売の「週刊ポスト」誌上でたけしは、〈松本がやってる映画で赤字を垂れ流してもおとがめなし。そりゃあ面白くないのもいるだろう〉と松本と幹部の関係を皮肉っている。加藤の真の狙いも、「幹部が退陣すれば吉本内での松本の力が弱まることになり、芸人全員が一線で仕事ができる環境になる」と芸能関係者は指摘する。

 加藤に追い風もあるのだが、肝心な加藤が大崎氏との話し合い以降、トーンダウンしている。元の鞘に収まれば、「とんだ茶番」と言われかねない。有言実行してこそ男を上げる。退社後、レギュラー番組が終わり、地上波から消えれば、元SMAP3人を巡り民放に圧力をかけたとの疑惑でジャニーズに注意した「公取」が黙っていないだろう。

 芸能人は個人事業主。事務所に関係なく実力と人気で仕事ができる環境でなければならない。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  2. 2
    「ダルよりすごい」ムキムキボディーに球団職員が仰天!プロ3、4年目で中田翔より打球を飛ばした

    「ダルよりすごい」ムキムキボディーに球団職員が仰天!プロ3、4年目で中田翔より打球を飛ばした

  3. 3
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

  4. 4
    22年は尻回りが推定1.5倍に増大、投げても打ってもMLBトップクラスの数値を量産した

    22年は尻回りが推定1.5倍に増大、投げても打ってもMLBトップクラスの数値を量産した

  5. 5
    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

  1. 6
    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

  2. 7
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  3. 8
    大谷の2023年は「打って投げて休みなし」…体が悲鳴を上げ、右肘靭帯がパンクした

    大谷の2023年は「打って投げて休みなし」…体が悲鳴を上げ、右肘靭帯がパンクした

  4. 9
    「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された

    「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された

  5. 10
    河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う

    河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う