分断社会の行く末を警告…傑作「ジョーカー」を見逃すな

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 のちにジョーカーとなる青年アーサー(ホアキン・フェニックス)は、ピエロの扮装で大道芸人まがいの日雇い仕事をして、病気がちの母との暮らしを支えている。だが彼は、緊張すると笑いが止まらなくなる持病が原因で、普通の社会生活に適応できない。

 映画は、いつかコメディアンになりたいと願うアーサーの小さな夢とわずかな希望が、ある事件によって完全に粉砕される悲劇を、容赦ない絶望的描写で見せる。24キロも減量し、病的な外見に変貌したホアキン・フェニックスは高く評価され、来年のアカデミー賞受賞は確実との声も上がっている。

■社会的弱者が悪のカリスマに

「これまでジョーカーを演じた3人は全員オスカーウイナー。中でもヒース・レジャーはまさにこの役で助演男優賞を取りました。ホアキンはこれまで3度ノミネートされた演技派ながらも、いまだ無冠。常軌を逸した減量や狂気の役作りに力が入るのも当然でしょう。実際、印象としてはヒースのジョーカーを凌駕する凄まじい怪演です。必死で生きてきた社会的弱者が上流社会に笑いものにされ、悪のカリスマとして祭り上げられるストーリーに強い説得力を与えています」(前田有一氏)

「ダークナイト ライジング」(12年)公開時には、ジョーカーに触発された20代の若者が映画館で銃乱射事件を起こした。今回は全米も警戒を強め、上映中止する館も出たという。R15+どころか、完全に大人向きの傑作。1年に1本ならこの「ジョーカー」で決まりだ。

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