「ELLE」父親のトラウマを引きずる女 性欲と葛藤する物語

公開日: 更新日:

 こうした人間の原罪ともいえる欲望の衝突を、映画は入り組んだ人間関係を通して追究する。ただし話は分かりやすく、結末の落ちも秀逸だ。筆者は見終わったときM・デイビスの「死刑台のエレベーター」を聴きたくなった。

 見どころは地下室でのセックス。男がペニスを抜いたあともミシェルは股間を押さえ、床の上で身悶えしながら、終わりのないエクスタシーに悦楽の咆哮(ほうこう)を上げる。まさに熱演。このミシェルの姿態こそが本作のテーマを語ってくれるのだ。

 日本の若い観客は「何が言いたいのか分からない」と拒絶反応を示すが、欧州人はこうした性欲のミステリー映画を好む。共感し、支持する。ハリウッド映画に飼いならされた若者には分かるまい。

(森田健司)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンは2028年ロス五輪“出場”すら危うい現実 27年プレミア12が目先の焦点に

  2. 2

    サヘル・ローズさん「憲法9条がある日本は世界に平和を訴える独自の役割がある」

  3. 3

    横浜銀蝿Johnnyさん「キャロル『ファンキー・モンキー・ベイビー』のイントロと革ジャンを着て歌う姿にシビれた!」

  4. 4

    松重豊「孤独のグルメ」続投の裏にある《諸事情》とは…63歳ゴローさんがやめられない理由

  5. 5

    高市外交を「日本の恥」だと批判続出! 夕食会で踊り狂う写真をホワイトハウスが“さらし上げ”

  1. 6

    WBC惨敗は必然だった!井端監督の傲慢姿勢が招いたブルペン崩壊【総集編】

  2. 7

    “性的暴行”ジャンポケ斉藤慎二被告の「悪質性」法廷で明らかに…邪悪が跋扈する歪んだテレビ業界の権力構造

  3. 8

    相次ぐ海外勢欠場の幸運…日本勢は異例の“棚ボタ”メダルラッシュへ【25日開幕フィギュア世界選手権】

  4. 9

    『スマスロ ミリオンゴッド』が4月に登場 史上最高の射幸性を誇った初代『ミリオンゴッド』の伝説

  5. 10

    元ジャンポケ斉藤が裁判で無罪主張の裏で…妻・瀬戸サオリの“息子顔出し”と"名字"隠し投稿の意味深