「ミッドナイト・エクスプレス」世界には魔物がすんでいる

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ミッドナイト・エクスプレス(1978年 アラン・パーカー監督)

 逃亡者カルロス・ゴーン被告が日本で不当な扱いを受けたと訴えている。彼の話から思い出したのが米国人が中国で殺人容疑で捕まる「北京のふたり」(1997年)と本作。先週、ゴーン被告がTVインタビューで妻と再会したときのことを「まるで映画『ミッドナイト・エクスプレス』のようだと感じた」と語ったため、今週は本作を選んだ。トルコで逮捕されたビリー・ヘイズの実話をオリバー・ストーンが脚色。アカデミー賞脚色賞を受けた。

 70年、米国人旅行者のビリー(B・デイビス)はハシシュを密輸しようとしたためトルコの空港で逮捕され、懲役4年の刑を受ける。刑務所にはマックス(ジョン・ハート)ら米国人が数人いて、所長の暴力的な制裁を受けながら絶望の日々を送っていた。

 ある日、ビリーは米国大使館員の訪問を受ける。恩赦で出所できると期待したら現実は正反対。判決が取り消され懲役30年を宣告されてしまう。どん底のビリーは「深夜特急」と呼ばれる脱獄を思い立つのだが……。

 ジェットコースターのような展開だ。ビリーは体にハシシュを巻き付けて空港の出国審査をパスしたが、飛行機に搭乗する直前の検査で犯行が発覚。売人を教えれば見逃してやるとの取引に応じながら街頭で逃げ出して深みにはまり、ついには30年の長期刑となる。トルコ政府は国の威信のために彼を見せしめにした。

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