著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

「隕石家族」この寓話性かなり凄い コロナ禍と重なる日常

公開日: 更新日:

 土曜深夜の「隕石家族」。設定がふるっている。数カ月後に巨大隕石が地球に衝突。人類滅亡は不可避だ。そんな中、東京で暮らす、ごくフツーの家族に何が起きるのか。

 最初に動いたのは門倉和彦(天野ひろゆき)の妻、久美子(羽田美智子)だ。高校時代に憧れた片瀬(中村俊介)を探し出し、付き合い始める。言い分は「自分の気持ちに正直になりたい!」。

 和彦は片瀬と同じ鉄道模型マニアを装い、妻の不倫相手に接近。ところが片瀬を好きになってしまう。BLの目覚めだ。

 長女の美咲(泉里香)は、担任だった女性教師への気持ちが抑えられない。

 また次女の受験生、結月(北香那)もカレシである翔太(中尾暢樹)を家に住まわせている。つまり、誰もが「最後の日々」を逆手にとって、自由に生きるようになったというわけだ。

 ところが、事態は急変する。なんと隕石がコースを変えたのだ。戻ってきた日常。そうなると、「緊急事態」の最中に、それぞれが「やらかした」ことのツケが回ってくる。地球は元通りになっても、人間のほうは簡単に元には戻れない。

 いや、この寓話性はかなり凄い。やがてコロナ禍が終息した時、この社会と人間の意識はどんな変貌を遂げているのか。そんな妄想までしてしまう。脚本は「天地人」「花燃ゆ」などの小松江里子。後半戦もスリリングな展開になりそうだ。

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