松尾貴史さん ナンシー関さんは自分を厳しく律していた

公開日: 更新日:

 コメンテーターとしても活躍するタレントの松尾貴史さん。秘蔵写真は消しゴム版画で芸能人を描いて批評し、90年代に大人気だった名コラムニストの故・ナンシー関さん(1962~2002年)との飲み会でのひとコマ。衝撃的な出会いから亡くなるまでの思い出を語ってくれた。

 ◇  ◇  ◇

 写真は97年ですから23年前ですね。店は下北沢の「都夏」という居酒屋だったと思います。そこの2階の小上がり。僕とナンシーしか写ってませんけど、ほかにも武双山関(現・藤島親方)とか敷島関(現・浦風親方)とか、漫画家のしりあがり寿さんもいたと思います。

 みんなで飲みましょうという会を始めた頃でサブカルチャー的なライターや編集者さんも参加していました。サブカルと意識してないけど、結果的にはそういうくくりになりますかね(笑い)。この後から年に1、2回集まるようになりました。

 ナンシーとの出会いはその前。僕が三軒茶屋に住んでいると知っている放送作家の人から、「ナンシーも三軒茶屋に住んでますよ」と言われ、紹介されることになり、呼び出されたのが三茶のカラオケ。行くと、とてもステキな歌声が漏れてきて、ドアを開けると、ナンシーが軽やかに跳ねながら「あなたに抱かれてわたしは蝶になる~」の「白い蝶のサンバ」を歌っていたんですよ。その姿で、度肝を抜かれちゃったというか。

 それから一緒に焼き肉とかご飯を食べたり、飲みに行ったりするようになりました。たいていは4~5人で。そのうち人が人を呼んで飲み会が大きくなり、写真の夜のように大勢集まる会になっていったんです。

■テレビの全チャンネルを録画

 ナンシーはたばこもよく吸うし、食通で健啖家でしたし、女性の小松左京という感じでした。酒はすごく強いですよ。よく行く中目黒の居酒屋ではうまい日本酒を教えてもらいました。青森出身だから、日本酒に詳しいんです。

 ナンシーは芸能人の批評を書いてましたが、顔とかムードとかの共通点で人を分類するのが上手でしたね。小林旭さんと吉川晃司さんとか。どこかの側面を切り取ると似てるってだけではありますけどね(笑い)。

 当時ナンシーは全チャンネルを録画していたと思います。

 今だと全てのチャンネルを録画する機能もあるけど、複数のビデオデッキを駆使して録画して研究していたのでしょう。直接その様子を見たことはないですが。

■みんなで飲んだ川島なお美から送られてきたワイン

 飲みながらの会話にはテレビで見た話もありました。「川島なお美は最近ズレちゃったね」とかいう(笑い)。感覚がついていけないという意味だと思うけど、酒の席のノリで言うんですよ。

 ナンシーは川島さんには厳しいことを書いていて、「噂の真相」に書いた後に、どこからか、どういう名目かはわかりませんが、「噂の真相」の編集部に川島なお美のエチケット(※ボトルに貼られたラベル)が付いたワインがナンシー宛てに送られてきたらしく、「私は丸め込まれようとしているんだろうか」みたいに言って(笑い)。「このワインをみんなで飲もう」と集まった夜もありました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    悠仁さま筑波大進学で起こる“ロイヤルフィーバー”…自宅から1時間半も皇族初「東大卒」断念の納得感

  2. 2

    中山美穂さん急死、自宅浴槽内に座り前のめり状態で…大好きだった“にぎやかな酒”、ヒートショックの可能性も

  3. 3

    辻仁成は「寝耳に水」 中山美穂離婚報道の“舞台裏”

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    中山美穂さん急逝「加齢の悩み」吐露する飾らなさで好感度アップ…“妹的存在”芸人もSNSに悲痛投稿

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  3. 8

    【独自】急死の中山美穂さん“育ての親”が今朝明かしたデビュー秘話…「両親に立派な家を建ててあげたい!」

  4. 9

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  5. 10

    悠仁さま“親がかり”の「東大推薦」に1万2500人超の反対署名…志望校変更に現実味も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  2. 2

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  3. 3

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  4. 4

    W杯最終予選で「一強」状態 森保ジャパン1月アジア杯ベスト8敗退からナニが変わったのか?

  5. 5

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  1. 6

    指が変形する「へバーデン結節」は最新治療で進行を食い止める

  2. 7

    ジョン・レノン(5)ジョンを意識した出で立ちで沢田研二を取材すると「どっちが芸能人?」と会員限定記事

  3. 8

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 9

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  5. 10

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も