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SALLiA歌手、音楽家、仏像オタク二スト、ライター

歌って作って踊るスタイルで話題を呼び、「イデア」でUSEN 1位を獲得。2018年より仏像オタクニストの活動を始め、初著「生きるのが苦しいなら」は紀伊國屋総合ランキング3位を獲得。近著に「アラサー女子、悟りのススメ。」(オークラ出版)がある。

劇場版「鬼滅の刃」公開 SNSの“負の側面”から広がった共感

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 今や国民的人気を誇る「鬼滅の刃」。劇場版「鬼滅の刃 無限列車編」が16日から公開された。鬼滅の刃は、大人だけでなく、子供にも人気の高い作品だが、劇場版の上映区分が「12歳未満は保護者の助言、指導が必要」となるなど、実際は血なまぐさい命のやりとりが描かれている作品でもある。

 主人公の竈門炭治郎の個性を一言で表すならば、「異常なまでの慈悲深さ」だろう。炭治郎は、家を留守にしていた間に家族を鬼に殺され、生き残った妹を鬼にさせられたという悲しいバックボーンを持っている。

 その炭治郎の凄いところは、本来であれば、忌むべき対象である鬼に対しても慈悲深いところだ。それが弱点でもあると、炭治郎の師匠が指摘する場面もあったが、その「慈悲深さ」こそが、炭治郎を炭治郎たらしめ、彼の強さの源泉となっている。

 鬼滅の刃に登場する鬼は皆、元は人間だった。無理やり鬼にさせられた人、生きるために自ら望んで鬼になった者……。鬼には鬼のストーリーが存在している。炭治郎はそんな鬼たちの「事情」に心を痛め、憎しみではなく、祈りを込めて、その剣を鬼のために振り下ろす。そのため、炭治郎に切られた瞬間、涙を流して死んでいく鬼たちも多い。

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