著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

俳優も震え上がった“トップ屋”と呼ばれたフリー記者の存在

公開日: 更新日:

 行動も神出鬼没。相棒と常に動くのが基本だが、どこでどんな人と会っているかも知らない。情報網も取材方法も明かすことはなかった。それでも月に1本はトップを飾る記事を持ってくる。誰も頭が上がらない存在だった。

 彼を知る人物から聞いた話では、「独特のファッションは相手を威圧する効果を狙った演出」という。取材されたある俳優は「こんな記者がいることに驚いた。圧倒されっ放しで、誘導尋問みたいに話してしまっていた。今思えば術中にハマったようなもの」と語っていた。ある歌手は東京近郊のホテルから女性と一緒に出てくると、車の前でたばこを吸いながら彼が待っていたという。

「すべてお見通しって感じでした。最初に言った言葉も“きちんと話したほうが君のためだよ”でした。もう観念しました」

 まるでドラマのワンシーンのようだが、実際、「トップ屋」は丹波哲郎主演でドラマ化されている。トップ屋と仕事をした編集者からは彼らの取材テクを聞いたことがある。

「彼は目の前でノートを広げてメモを取ることはしない。取材も相手がリラックスして打ち解けられるように食事やお酒の席で雑談風。取材された側は、どこまで本当の取材でどこからが雑談かわからない。衝撃告白の大半は雑談から発せられていることが少なくない」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝