中村獅童はコロナ禍が生んだ“最大の好機”をものにできるか

公開日: 更新日:

 再開して4カ月目の歌舞伎座は例年通り、「顔見世」となっているが、今年はコロナ禍の4部制が続いており、大幹部が揃うわけにはいかなかった。

 最もチケットの売れ行きがいいのは第1部、猿之助の「蜘蛛の絲宿直噺」。これまで「蜘蛛絲梓弦」として上演されていた舞踊劇を改作したもので、準新作といえる。笑三郎と笑也は、歌舞伎座再開後は初めての出演で、猿弥も加わり、まさに息の合った役者たちによる、安定した一幕。

 第2部は、尾上菊五郎が市川左団次と「身替座禅」に出て、第3部は、松本白鸚が「一條大蔵譚」に出て、大幹部の出演はこれだけ。

 第4部は中村獅童が、「義経千本桜/川連法眼館」で狐忠信を17年ぶりに演じている。

 猿之助主演の第1部には、中村福之助、菊五郎主演の第2部では中村米吉、白鸚主演の第3部では中村壱太郎、獅童主演の第4部では市川染五郎と中村莟玉と、どの部も、一門・一族の枠を超えた若手が配されているのも今月の特徴。普段ならあり得ない座組で、非常時が生んだ顔合わせだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗