ダンカン
著者のコラム一覧
ダンカンお笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家

本名・飯塚実。1959年、埼玉県毛呂山町生まれ。落語家を目指し立川談志に弟子入り。「立川談かん」として活動した後、たけし軍団入り。お笑いタレント、俳優、放送作家、脚本家と多才で、現在はTAPの専務取締役。

師匠の家に弟子入りした俺を待っていた2人のオカマ兄さん

公開日: 更新日:

 つまり、そんな清く正しい談州兄さんをオカマ呼ばわりしている俺はよい言葉で言えば人間のクズ、そして悪い言葉で言えばダニみたいなものだったのであろう……。

 だけど、自己弁護するわけではないけど、俺がテキトーだったのは決して俺だけの問題ではなくて、すぐ上の兄さん(確か入門半年くらいだっただろうか?)の談六の影響が大きかったのだ。

 小づくりでどこか全体的にポッチャリとした談六兄さんは以前は美容師をやっていたということであった。

 職業上なのだろうか? やたら口数が多く、しかも女性のお客さんに語りかけるような「アラ、それだったらこーじゃない」「あれしちゃおうよ!」の口調に加え、なぜかヒザを合わせるような内股で歩く人だったのだ。そのくせ二言目には「やらなくていいんじゃない、どーせ談州兄さんがやってくれるって!」とポッチャリと柔らかそうな肌に、うっすらとつねに汗をかきながら卑屈な笑みを浮かべるのだった。

 談六兄さんに関してはよく言っても悪く言っても「ダメな人」以外の言葉が見つからない人であったのだ。というか、今思い返したら俺ってオカマ兄さん2人と毎日行動をともにしていたってこと??? そんな歴史に埋もれていた真実、今さらどーでもいいよ~!!

 そうして数カ月の日々が過ぎていったある日、1階の書斎で書き物をしていた師匠が「オイ! おまえさん、今日から名前これになるから!!」とマジックペンで書かれた文字の紙を俺に差し出したのだった。そこには見慣れた師匠の字で「談かん」と書かれていた……。 (つづく)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

    日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

  2. 2
    佐々木朗希とのただならぬ関係…陰で糸引く「黒幕」は大船渡高時代の韓国遠征まで追いかけた

    佐々木朗希とのただならぬ関係…陰で糸引く「黒幕」は大船渡高時代の韓国遠征まで追いかけた

  3. 3
    ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

    ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

  4. 4
    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

  5. 5
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

  1. 6
    「白鵬の弟子」押し付け合い勃発! あちこちから聞こえる師匠譲りの不穏な評判

    「白鵬の弟子」押し付け合い勃発! あちこちから聞こえる師匠譲りの不穏な評判

  2. 7
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 8
    キムタク主演ドラマがまさかの1ケタ…“考察”慣れしすぎて王道スポ根が楽しめない?

    キムタク主演ドラマがまさかの1ケタ…“考察”慣れしすぎて王道スポ根が楽しめない?

  4. 9
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 10
    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異