著者のコラム一覧
ダンカンお笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家

本名・飯塚実。1959年、埼玉県毛呂山町生まれ。落語家を目指し立川談志に弟子入り。「立川談かん」として活動した後、たけし軍団入り。お笑いタレント、俳優、放送作家、脚本家と多才で、現在はTAPの専務取締役。

師匠の家に弟子入りした俺を待っていた2人のオカマ兄さん

公開日: 更新日:

 立川談志に弟子入りを許された40年近く前の俺は当時借りていた西新宿の木造ボロアパートから毎朝、師匠の住む武蔵関の家へと通う生活が始まった。それは毎日、掃除機をかけ、雑巾がけをして窓ガラスにハアハアと息を吹きかけてピカピカに磨き上げるという、単調で何一つ面白いものではなかった。

 といっても、俺は一人でそれをやるわけではなく当時、俺の上には同じく通いの弟子、いわゆる「兄(あに)さん」と呼ぶ者が2人いたのだ。

 一人の兄さんはすでに弟子入りして1年くらいになっていたのだったか? 横浜の国立大学出身であったと思う、談州という男であった。色白で細身でなよっとした身のこなしをするのだが、とにかく師匠の機嫌を損ねないことを最優先する男だったので、よく言えば繊細で気遣いの人……しかし、悪く言えば「口うるせーオカマ野郎!!」だったのだ。

 いや、これは決して談州兄さんが陰湿や陰険であったりということではなくて、要するに掃除をサボってトイレで隠れてたばこは吸うわ、師匠のところに贈られてきた物を勝手に食うわ(師匠のところには落語会で訪れた日本各地から毎日たくさんの物が送られてきた)の俺のテキトーな行動が師匠にバレたら、連帯責任で「全員破門」もあるということへの、正しくは何一つ間違いのない注意であったのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  2. 2

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  3. 3

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  4. 4

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  5. 5

    山尾志桜里氏“ヤケクソ立候補”の波紋…まさかの参院選出馬に国民民主党・玉木代表は真っ青

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  2. 7

    フジテレビCM解禁の流れにバラエティー部門が水を差す…番宣での“偽キャスト”暴露に視聴者絶句

  3. 8

    国分太一は“家庭内モラハラ夫”だった?「重大コンプラ違反」中身はっきりせず…別居情報の悲哀

  4. 9

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒