著者のコラム一覧
ダンカンお笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家

本名・飯塚実。1959年、埼玉県毛呂山町生まれ。落語家を目指し立川談志に弟子入り。「立川談かん」として活動した後、たけし軍団入り。お笑いタレント、俳優、放送作家、脚本家と多才で、現在はTAPの専務取締役。

立川談志とダンカン誕生 すべては“池袋の夜”から始まった

公開日: 更新日:

 クルクルクル~カラン、カラ~ン! ついに俺の人生ルーレットがその日に止まる時がやってきた。俺という人間、いや正しくは「ダンカン」という存在がこの世に誕生することとなる、あの1982年9月13日、38年前の池袋の夜から始まった物語を述べよう。

 その時、俺の心臓はその場所、池袋演芸場の客席に入った途端にバクバクとまるで早鐘のように鼓動していたのを覚えている。その夜、池袋演芸場では「(立川)談志一門会」が催されていた。客席をギッシリと埋め尽くしたお客さんは次々と高座に登場する立川談志の弟子の噺家の落語に笑いと拍手を惜しみなく送っていたのだ。

 その光景は緊張のデッドゾーンに入りっぱなしで、できることならこの場から駆け出してどこまでも逃げてしまいたいと全身が冷たい汗まみれになっている、決して冷静でない俺が見ても奇妙でしかなかったのだ。

 あの当時、東京には新宿末広亭、上野鈴本、浅草演芸ホール、そして池袋演芸場と4つの定席(毎日昼席、夜席と落語や色モノのプログラムを組む寄席)があり、はとバスの団体客でも入れば別なのだが、普段はお客さんの数には頭を悩ませていたと思う。その中でもとりわけ池袋駅北口からほど近いところにある池袋演芸場は芸人泣かせで、よく「いや~、参ったよ! 昼席の高座に上がったらお客さん1人だもん、噺をするこっちも、見てるあちらも妙に照れちゃってさあ」「兄さん、それならまだいいですよ! あたしなんかお客さんが入り口のところで入ろうか? 入るまいか? もう、ふすまから顔半分のぞかせて様子をうかがってる……ホラ『巨人の星』のお姉さん、星明子状態で、噺を始めようかどうしようか? お互い間を計ってるようなことがありましたよ」と、これが決して笑い話や落語家のネタではなく正真正銘の現実、リアルだったのだから、その時、俺が満員の池袋演芸場を見て首をかしげていたのもわかってもらえるだろう。それらすべての答えはただひとつ!「談志が高座に上がる」だったのだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元プリンセス プリンセス渡辺敦子さんは音楽ダンス学校の校長に 出身者には元乃木坂の白石麻衣も

  2. 2

    紅白出場が確実視されるM!LKは「ソロ活動」増量中 塩崎太智に続く期待のメンバーとその“鬼門”

  3. 3

    高知・土佐清水市の足摺海底館が解体へ…1年での取り壊しもある登録有形文化財の中途半端な文化的価値

  4. 4

    工藤公康さん 人生のターニングポイントは4回「高校進学で人生が変わった」

  5. 5

    簗農相の「更迭」に手間取る理由…与野党のどこの誰が反対しているのか

  1. 6

    簗農相続投で炎上止まらず、自民党内からも批判噴出…高市首相の「アンケート」が完全裏目に

  2. 7

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 8

    timelesz会見で注目された篠塚大輝の成長 アンチも認めた“完璧な”振る舞い

  4. 9

    不振続く和久田麻由子「news LOG」 M!LK曽野舜太の出演は「毒まんじゅう」か「良薬」か

  5. 10

    一部メディアの「中日次期監督に権藤博待望論」に私本人が答えよう 87歳の今も体は元気だが…

おすすめ求人情報

Sponsored by 求人ボックス