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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

謎のベールに包まれていたジャニー喜多川氏の私生活

公開日: 更新日:

 黒子に徹していたジャニー氏は晩年、ジャニーズ担当記者との懇談会では本音を語ることはあっても写真撮影はNGだっただけに写真の公開は意外だったが、これには世界へ向けた「日本にジャニー喜多川あり」というアピールの意味もあったという。

「日比谷界隈をブロードウェーのようにすることが夢だったジャニー氏にとって、名前と写真を出すことで世界中に発信できるメリットがあった。もうひとつは、日本で2度目の五輪が開催される可能性が喧伝されていた時期でもあり(決定したのは2013年)、ジャニー氏は開会式のセレモニーをプロデュースする夢もあった。ジュニアを増やしたのは、国立競技場でパフォーマンスさせるには多くのメンバーが必要で、そうした計算もあったと思います」(音楽関係者)

 朝日新聞でも「不思議」と感じていたジャニー氏の素顔。芸能メディアの間でも「芸能界七不思議」のひとつに入るほどだった。ルーツについてはおおよそは取材してきたが、最もベールに包まれていたのが、生涯独身を通した私生活だった。

 資料を調べると1967年にあった裁判で意外な事実が発覚している。詳細を報じた「女性自身」によれば、デビュー直前のジャニーズがダンスレッスンのために通わせていた「新芸能学院」が起こした金銭トラブル裁判の公判で学院側は「ジャニー喜多川のセクハラ行為があった」と証言。メンバー4人のうち2人はこれを否定。2人は「覚えていません」という曖昧な返答だったことで、疑惑は「もしかしたら」という話の流れになっていたと先輩記者に聞いた。

 とはいえ、あくまでも疑惑。それは噂レベルのまま時は流れていた。しかし1988年、元フォーリーブスの故北公次がジャニー氏の性的な話も含めた暴露本を出版、衝撃が走った。堰を切ったように退所した数人のタレントが似たような告白本を出した。それがセクハラ取材の動機につながっていった。

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