報ステCM“上から目線”大炎上 TV界の悲しきジェンダー意識

公開日: 更新日:

 テレビ朝日がユーチューブやツイッターでこのほど公開した「報道ステーション」のウェブCMが批判を浴びている。

■「社会的な問題に関心のある女性は偉いという“上から目線”」が露呈

「どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかってスローガン的にかかげてる時点で、何それ、時代遅れって感じ」などと、若い女性がカメラ目線で話し掛ける場面(写真)からはじまり、「化粧水買っちゃったの。もうすっごいいいやつ」「それにしても消費税高くなったよね。国の借金って減ってないよね?」などと続ける。そして「9時54分! ちょっとニュース見ていい?」と言うと画面に「こいつ報ステみてるな」とのテロップが大写しされ、番組ロゴが表示されるというもの。

 これが公開されるやSNSでは「ぜんぜんジェンダー平等じゃないのに」「女性蔑視が過ぎる」といった批判コメントが殺到。コラムニストの小田嶋隆氏はSNSで「CM制作者が低能だなんてことは、いまさらびっくりしてみせるような話でもありません。ただ、このCMを正面突破で通してしまったテレ朝のガバナンスの崩壊というのか、現場の退廃ぶりには、やはり、落胆を禁じえません。さようなら」とし、思想家の内田樹氏はこうつづった。

「視聴者も広告出稿も減り続けて、ビジネスモデルとしては先のない民放テレビの『終わり方』がどういうものになるのかが何となくわかりました。なるほど、ここまで落ちるのか」――。

「太鼓持ちか」

 報ステといえば、今年1月に菅首相への生放送インタビューを行った際、番組キャスター富川悠太アナの露骨なすり寄りぶりが話題になり、「太鼓持ちか」などと批判が集まった。

「その富川アナは昨年、元タレントの夫人が中学生の息子を怒鳴り散らして警察と児童相談所が自宅に出動する騒ぎも週刊誌で報じられました。家族のDV疑惑のみならず、2019年には番組最高責任者である当時のCP(チーフプロデューサー)のセクハラ事件が報じられたことも。その際にはCP解任とBSへの出向処分を下したテレ朝に対しても甘すぎるとの批判が上がりました。今回のCMには、番組OBからも『あまりに悲しい』などと、声が上がっています」(スポーツ紙放送担当記者)

 実際のところCMの内幕はどうだったのか。某放送作家の見立て。

「4月から同じ時間帯に引っ越すテレビ東京『WBS(ワールドビジネスサテライト)』に対し、何か手を打っておこうと施策を講じたのかも。といっても、攻めというより報ステの固定客をWBSに取られないようにとの守りでしょう。テレビ離れの進むなか、新規顧客獲得は至難の業ですから『うちは今まで通りの路線でいきますね、忘れないでね』くらいの甘い認識だったのでしょう」

 報ステの公式ツイッターは24日、「ジェンダーの問題については、世界的に見ても立ち遅れが指摘される中、議論を超えて実践していく時代にあるという考えをお伝えしようとしたものでしたが、その意図をきちんとお伝えすることができませんでした」と謝罪声明を発表し、動画を削除したが後の祭りである。メディア文化評論家の碓井広義氏はこう言う。

「今、この時期に、こうした発信をする際には、メディアはより慎重になるべきという好例だと思います。このCMを作ったスタッフは、自分たちは女性を応援している“女性の味方”であり、いいことをしていると考えていたと思います。ただし、そこには時流への安易な迎合が見え隠れしている。若い女性でも、こういう社会的な問題に関心のある女性は偉いね、ヨシヨシという手つきが見えてしまった。つまり“上から目線”なんです。そうした立ち位置が問題を起こしていると思います。背景には、テレビや放送の現場が最もジェンダー平等が遅れていることもあると思います。そうした世間との感覚のズレも関係しているかも知れません」

 テレビマンは東京五輪組織委員会の森前会長の女性蔑視発言や渡辺直美の“ブタ演出”が猛批判を浴びた本当の理由がわかっていないようだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網