鋼鉄より強くて軽いスーパー素材の原料は「木材」! 米スタートアップ企業が開発し注目
木材を素材としながら、鋼鉄よりも強く、軽量で、防火性や耐衝撃性に優れた革新的なスーパー素材が開発され、注目を集めている。
米スタートアップ企業インベントウッド社が開発した「スーパーウッド」で、化学的処理と加熱・圧縮で、原料の木材を分子レベルで再構築し、驚異的な性質を実現しているという。写真(同社の公式サイトから)はスーパーウッドの建物だ。
具体的には、重量比での強度は鋼鉄の10倍以上あり、重量は鋼鉄の約6分の1ながら、同等の強度を持つ。またコンクリート・石材と同等のクラスAの防火性能を持ち、水分、腐敗、害虫に対する耐性が高い。さらに製造過程での二酸化炭素排出量が鋼鉄の90%以下で環境にもやさしいうえ、利用価値がなかった木くずや低品質の木材を原料に利用できる。
コスト面では、同じ重量あたりの価格は鋼鉄の10倍以上だが、軽量であるため使用量が少なくて済み、結果的に実効コストは鋼鉄と同等か、それ以下になる可能性がある。
スーパーウッドは鋼鉄やコンクリートなどの建材に代わる素材としてだけでなく、自動車・航空機のフレームや多くの消費財にも応用でき、幅広い産業に革命をもたらす可能性があると専門家は指摘している。すでに大量生産の段階に入っており、年内にも商業出荷が始まる予定だ。