失敗したときに重要なのは「リフレクション」…何を学んだかを見つめ直す
失敗は、人が成長していくうえで避けて通れないものです。「失敗は成功の母」といわれるように、失敗して悔しい思いをしたり、心が痛むような経験をすると、眠っている間に脳の中で不要な情報が整理され、物事を判断する力がアップするともいわれています。
ジョージメイソン大学のクロニンらは、失敗後に粘り強さを促すことで、仕事への自信と努力が向上することを示す実験(2021年)を行っています。
被験者は、ブラジルの多国籍企業の販売代理店20拠点の従業員1265人です。この膨大な数の被験者を、「地域責任者からの“失敗は学び”というメッセージ動画を視聴してもらうグループ」と、特にそうしたメッセージはなく、「単に企業の歴史を紹介するだけの動画を視聴してもらうグループ」に分けました。この実験は、これまで難しいと考えられていた、従業員の失敗に対する認識を、上層部が比較的短期間で変えられることができるか--ということもテーマのひとつだったといいます。
その結果、前者のグループの従業員は、販売コミッションが後者のグループの従業員よりも約14%高いことが判明しました。しかも、この効果は時間とともに増大する傾向があることも分かったそうです。