ツアーで死人が出る前に「酷暑対策」を講じるべきだ…アマチュアで死亡事案発生、一刻の猶予もない
世界ランク1位のS・シェフラー(米国)が実力を発揮して大会初優勝を遂げた男子メジャー最終戦の全英オープン。シェフラーの強さが際立っていたが、今年の「全英」は異様な大会でもあった。というのも、2日目からはリンクス特有の強い海風は吹かず、決勝ラウンドはまさに好天。選手やキャディーを含めた関係者や、大会を観戦するギャラリーの大半が半袖姿だったからだ。
「全英」の舞台である英国のリンクスは海岸沿いにあり「一日の中に四季がある」といわれるほど、天気が猫の目のように変わることで有名だ。しかも、冷たい雨風により冬のような寒さに見舞われることも度々あった。それが今年は、微風で連日の気温は20度前後。平均気温より約5度も高かったことになる。
近年の地球温暖化による気候変動はゴルフ界にも多大な被害をもたらしている。国内でも梅雨が明けたばかりの7月初めに涼しいはずの北海道のゴルフ場で70代のゴルファーがプレー中に熱中症で倒れ、病院で死亡する事故が起きている。
男女のプロゴルフトーナメントでも熱中症患者は続出している。2021年埼玉県川越市の霞ケ関CCで行われた東京五輪では米国女子代表L・トンプソンのキャディーが、第1日の途中に熱中症でダウンした。コースのある地域は猛暑地帯で知られ、当初から五輪開催を危惧する声もあった。