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児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

「表現の自由」が通用しない時代 大作ドラマ2回で打ち切り

公開日: 更新日:

 テレビ朝日系の番組「報道ステーション」のウェブCMが「ジェンダー平等」と言いながら“女性蔑視”と批判され、公開から2日で削除された。今週は木村拓哉工藤静香の愛娘でモデルのKoki,が出演した高級ブランド「ヴァレンティノ」のウェブCMも削除されている。Koki,が着物の帯をハイヒールで踏むという演出に「日本文化の冒涜」と批判が殺到したからだ。

「報ステ」のウェブCMが公開された日、お隣の韓国ではファンタジー時代劇「朝鮮退魔師」の放送がスタートした。この“朝鮮王朝版エクソシスト”は制作費が日本円で30億円を超える大作。ところが歴史歪曲論争が勃発し、わずか2話で打ち切りという前代未聞の事態となった。

 去年のコロナ禍、日本では「愛の不時着」が注目されたが、韓国では時代劇も人気が高い。問題となった「朝鮮退魔師」はフィクションだが、朝鮮王朝時代に実在した第3代王・太宗が登場する。

 ドラマでは太宗が悪霊に取りつかれて罪のない民を虐殺するなど、史実と異なるシーンが放送された。加えて、エクソシスト司祭をもてなすシーンに映し出されたのは中国風の料理や小物ばかり。反中感情が高まっている韓国で「歴史歪曲にとどまらず、これではまるで中国ドラマだ」と大炎上したのだ。

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