おふくろに「俺、幸枝若の子ぉか?」と聞くと軽い調子で…

公開日: 更新日:

 幸枝若は高校生の頃から浪曲の才能を示した。

「曲師のおふくろの三味線で兄貴が浪曲の稽古をしてるんで、『俺にもやらせてくれ』と、『一本刀土俵入』をやったら、おふくろと兄貴が、『おまえ、いつ覚えたんや』とびっくりしてる。幸枝若のレコードで覚えたと言ったら2人とも変な顔しましたわ。知らないうちに実の父親の浪曲を覚えたんやから、驚くのも無理はない」

 それから一光少年は、テレビ、ラジオ、レコードで初代の浪曲を聴きまくり、余興で初代の持ちネタを演じるようになった。

「17歳の時に腎臓を切除する大手術をして命を取り留めたんです。そんなことがあったから、母親としては好きな道に進ませてやりたいと思うたんか、『おまえも幸枝若の節をやっとんやから、弟子にならなあかん』と、初代が出てる劇場の楽屋に連れて行った。入り口で待ってると、おふくろと初代が話してる。後で聞いたらこんなやりとりがあったらしい。『あんたが7カ月で捨てた子がおるやろ』『そんな言い方すな』『その子が今、あんたの節をやってる。弟子にしたってや』と。そういういきさつで弟子になったわけです」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン