著者のコラム一覧
SALLiA歌手、音楽家、仏像オタク二スト、ライター

歌って作って踊るスタイルで話題を呼び、「イデア」でUSEN 1位を獲得。2018年より仏像オタクニストの活動を始め、初著「生きるのが苦しいなら」は紀伊國屋総合ランキング3位を獲得。近著に「アラサー女子、悟りのススメ。」(オークラ出版)がある。

NHK「ひきこもり先生」に反響続々…不登校児への「来なくていい」と「逃げてもいい」の大きな違い

公開日: 更新日:

 その中で、唯一生徒と真っ当に心を通わせることができているのが陽平だ。陽平は一度も「君の気持ちがわかるよ」という言葉を使わない。そんな手っ取り早い言葉を使うことなく、丁寧に一人一人の心に寄り添う言葉を使っていく。

 ある生徒には「自分は娘を捨てたから、娘の好きなおにぎりの具を知らないけど、君はお父さんの好きなおにぎりの具を知っているんだね。すごいね」と素直に伝え、目の前で死にそうになっている生徒には同じ熱量で泣き「生きよう」と何度も伝えた。

 ただありのまま、何の打算も計算もなく、すごいと思ったことを“すごい”と言える陽平。それが出来るのは彼が生徒たちと同じひきこもりだったからではなく、そんな繊細で優しい陽平だから、ひきこもらなくてはならなくなってしまったのだろう。

 久々に学校に来ることができた生徒が陽平を“ヤキトリ”と呼び、他の教師に「大人で先生なんだからヘラヘラ笑わないでください」と言われても、陽平は奈々が学校に来たことが嬉しいとヘラヘラ笑う。

■共感するだけでいい

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった