著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

何が新総裁だ。世の中、どん詰まってるぞ! 何もかも解体してゼロからやり直せ

公開日: 更新日:

 久しぶりに聞く“河内弁”が心地よかった。「悪名」シリーズの田宮二郎の清次の言い回しだ。「で、立憲民主が政権取れば、年収が1000万円の者までは、所得税を1年間払わんでええようにして消費税も減らしまっさ、と本気で言うとったよ。金持ちや株で儲けとるブルジョアから税金取ったるって。キャピタリズムちゅうのんは必ず崩壊するんやけど」と。感心しながら「オレも1000万以下やし、助かるわ」と返すと、「皆そうや。今、人口の9割5分は1000万以下。ワシみたいな貧民は3000万人はおるし。絶対、立憲民主か野党に入れたら税金タダや」と。「よう知ってまんな。おっちゃんは前から反自民?」と聞くと、「ワシは直接民主主義者やから代議制はナンセンス、選挙は行ったことなし」「ワシ、京大の全共闘やっとったんよ、69年の10.21国際反戦デモでもマルキにモロトフ投げまくったし」とその横顔が青年に戻っていた。

 モロトフは火炎瓶、マルキは機動隊だ。この日は心が弾んで、69年の東大安田講堂攻防戦の本など読み直した。ユーミンの歌じゃないが、あの日に帰るなら、日本人はあの頃のラジカル(根本を見つめる)思考に返って、何もかも解体してゼロからやり直したらどうだ。何が新総裁だ。世の中、どん詰まってるぞ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景