女優・山田愛奈の軌跡 映画「ダンシング・マリー」のヒロインに大抜擢
女優の山田愛奈(23)が出演する映画「ダンシング・マリー」(キグー配給)が11月5日に公開される。オーディションを勝ち抜き、ヒロインに抜擢されたが、本人はなぜ自分が選ばれたのか分からないと話す。
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「オーディションでは実力が出せず、恥ずかしいくらい何もできなかったんです。緊張しすぎてセリフは全て飛んでしまい、監督との質疑応答も無表情に……。頭が真っ白になって、自分の荷物まで忘れて帰ったんです。『これは落ちたな』と思っていたところに合格と聞き、驚いたことを鮮明に覚えています。そして、なぜSABU監督が選んでくださったのか、いまだに何も聞いていないんです(笑い)」
ヒロインと運命的な共通点
本作では、霊視ができる女子高生・麻田雪子役を演じる。ミステリアスな雰囲気が漂う山田にピッタリだが、ある運命的な共通点があって……。
「幼いころ、私も人間の霊や猫の霊が見えました。家族も見える人が多かったので、怖いと思うこともなかったんです。大人になってからは見えなくなりましたが、たまに現場で感じることも。身を清める塩のスプレーを持ち歩いてます」
物語は雪子の能力に導かれ展開していく。役作りでのこだわりは?
「特殊能力がある部分に、あまりフィーチャーされたくなかったんです。霊視ができる以外は、普通の女の子と変わりません。人柄が伝わるように喜怒哀楽を意識しながら表現しました」
介護福祉士から一転
女性誌「non-no」の専属モデルを卒業後、女優として活動の幅を広げている。芸能界に入ったのは、スカウトがきっかけだった。
「高校生のとき、地元のフリーペーパー『新潟美少女図鑑』で、習い事の延長線上としてモデルをしていました。それが気づいたら東京にいたんです(笑い)。もともと介護福祉士を目指していたので、芸能界に興味はなく、ましてや自分が出る側なんて考えたこともありませんでした。演技も苦手で、レッスン中に怒られることもしばしば。それが徐々に、怒られないためには演技力を上げればいいんだって、やる気に火がついたんです」
演技に集中することで、自分の持ち味を生かせることに気がついた。
「長所であり短所でもあるのですが、実は多趣味で飽きっぽい性格なんです。好奇心旺盛で、挑戦したい気持ちが常にあることは役者にとってはプラスでした」
今後、演じてみたい役柄は?
「今まで内気で繊細な役や、何かを秘めている役が多かったので、天真爛漫な役を演じてみたいです。演技は、ひとつのことを吸収しても、別の現場だと同じような場面でも微妙に違う。そういったところが面白いし、終わりや正解がないところに魅力を感じています」
(取材・文=白井杏奈/日刊ゲンダイ)
▽やまだ・あいな 1998年、新潟県出身。講談社が主催する「ミスiD2015」に入選し、デビュー。「non-no」(集英社)専属モデルを経て、女優として活躍中。主な出演作に、映画「最低。」(17年)、「いつも月夜に米の飯」(18年)、関西テレビ「名もなき復讐者 ZEGEN」(19年)、映画「シグナル100」(20年)、「NO CALL NO LIFE」(21年)、LINE NEWS VISION「上下関係」(21年)など。