追悼・喜多條忠さん フォークの名曲「神田川」誕生秘話

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 かぐや姫、南こうせつさんが歌う「神田川」。中高年世代で「貴方はもう忘れたかしら」と口ずさんだことがない人はいないはずだ。「神田川」はそれくらい人々に親しまれ続けている名曲。

 作詞した喜多條忠さんが肺がんのため22日に亡くなった。かぐや姫では「赤ちょうちん」、柏原芳恵「ハロー・グッバイ」などのヒット曲もあるが、喜多條さんの音楽人生のスタートは「神田川」だった。

 6年前に喜多條さんにインタビューをお願いしたが、語ってくれたのは「神田川」誕生のエピソードだった。

<「今日、締め切りなんですけど、何か一曲書いてください」

 73年の初夏、こうせつが突然こう言って作詞を依頼してきたんです。「明日がレコーディングで、スタジオも押さえてある」って。彼はアルバム「かぐや姫さあど」を制作中。ボクは前夜、徹夜して寝不足だったけど、引き受けました。>

 放送作家だった喜多條さんとこうせつさんはかぐや姫のキャンペーンで知り合った。当時、喜多條さんは作詞の経験がある程度だったが、「僕は筆が速いことで有名でした。なにせ200字詰め原稿用紙に、1日40~50枚ほど台本を書いていましたから。それと、メンバー以外の『血』を入れることで、面白いアルバムが作れると思ったんでしょう」と語った。

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