(5)「仁義なき戦い 広島死闘編」深作監督からギリギリで役の交代要請が…

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 承服できるはずがなく、私は1週間考えさせてもらうことにした。

■「本心では私に大友勝利を演じさせたいのではないか」

 降板すべきか。交代を受け入れるべきか。思案するうちに、私の頭に浮かんだのは深作監督の顔だった。監督がこの話を知らないはずはない。しかし、何も言ってこない。

「ひょっとすると、深作監督は本心では私に大友勝利を演じさせたいのではないか。そうでなければ欣也ちゃんのわがままを許すはずがない」

 つまり、深作監督は「これまでとは違う千葉真一を見せてみろ」と言っているのだ。そう思った瞬間、私は山中正治ではなく、大友勝利を演じることを決心した。

 しかし、クランクインまでに残された時間はわずか数日しかない。悩みに悩んで出した結論はこうだった。

「カッコいいヒーローばかり演じてきた千葉真一を捨て去り、汚い自分、悪い自分を引き出そう。しかも、それを魅力的に見せるのだ」

 私はしゃべり方をはじめ、歩き方、食べ方、ドアの開け方と、大友勝利になり切るためにすべてを変えた。しかし、変えられなかったものもある。

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