TRF・SAMに直撃インタビュー 還暦でも「赤いチャンチャンコは絶対に着ません(笑)」
TRFダンサーのSAM(60)が加齢学について記した「いつまでも動ける。」(クロスメディア・パブリッシング)を出版した。コロナ禍の中、SAMは通信で南カリフォルニア大学のジェロントロジー(加齢学)の学位を取得。自身の体験をもとにいつまでも動ける体をつくる方法を執筆。
──なんと今年1月で還暦に。赤いチャンチャンコは?
「若い頃、仲間たちと『60まで踊り続けようぜ』なんて言っていたのが簡単にクリアできてしまって……あっという間でしたね。僕より先にメンバーのDJ・KOOが60歳になって、チャンチャンコを着ててダセエと思ったので絶対着ません(笑い)」
──加齢を自覚したのは47歳の時だそうで。
「瞬発力やダンスのキレが落ちて“ウソだろ!?”って、血の気が引きました。怠けてたのもあり、トレーニングを再開しましたが、全ては戻らない。そこから加齢について考えるようになりました」
──ジェロントロジーとは?
「老いをポジティブにする学問です。経験値を上げれば若い頃と同じ問題でも解決法が変わるし、クリエーティブ面ではむしろ年齢が強みになる。50代半ばがピークといわれています。でも、これだけ加齢にも人によって幅がありますから、より後ろにずれているかもしれません」
──老化を防ぐ体操をつくったそうで。
「老化のキモは股関節なので、股関節を効果的に動かせる、いつでもできる体操を本でも紹介しています。昔、ダンスで食っていくからには楽はしてはいけない、嫌な道こそ通らないとと、バレエやジャズなど基礎をみっちりやってきたのですが、加齢学を学ぶに連れて、こういう体験が血肉になって学問として頭に入ってくる。すべてがつながって、今は学ぶのがとても楽しいですね」
──SAMさんはデビュー当時から見た目も変わらないがどうすれば残念なオジサンにならないでいられるのか?
「自分をオッサンだと思わないことと、安くていいからオシャレに気を使うこと。シンプルな白Tでも爽やかに着こなせば印象は変わります」
「60歳は簡単にクリア」
──若さの秘訣は?
「危機感ですかね。仕事として人前で踊るだけに常に危機感は感じています。昔は年をとったら踊ってちゃいけない雰囲気がありましたが、今は自分で決めればいい。ナッツ類、ブルーベリーなど抗加齢食材は負担にならない程度に取り入れるようにしています」
──今後は加齢とどう付き合うのか?
「60歳は簡単にクリアできたけれど、この先は“いかに心が折れないか”が大事になるんじゃないかと。肉体をキープする方法はわかったけれど、筋トレが嫌いな自分をどうマネジメントするかが課題です。みなさんも僕の本を読んでいただき、加齢と上手に付き合えたらと思います」
(聞き手=岩渕景子/日刊ゲンダイ)