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細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

2015-2022「那須川天心vs武尊」の記録(中)武尊を翻意させた那須川天心の快進撃

公開日: 更新日:

 事あるごとに対戦を熱望する那須川天心に対し「K-1のリングなら」と条件付きで応諾する武尊。歩み寄りは見られず、あっという間に数年が経った。

 風向きに少し変化があったのは、筆者の見るところ、那須川天心の快進撃に理由があったように思う。RIZINにレギュラー参戦するようになってから、地上波の波及力もあってか、人気、知名度は急上昇。存在感において、武尊をあっさり追い抜いたのである。「THE MATCH」の前日会見でも次のように述べている。

「テレビに出してくれたのはRIZINさんで、それで自分のポテンシャルを何倍にもしてくれた。『時代はPPVだ』って言う人もたくさんいると思うんですけど、そんなことはないと思っていて、俺はテレビでK-1を見て格闘技を始めようと思ったし、だから(地上波は)まだ絶対に必要だと思う」

 さらに、天心の“武尊熱”を冷却化させる出来事が起きる。大晦日の生放送発言から2カ月後の2018年2月、K-1の運営会社が、那須川天心本人と、父親の那須川弘幸、所属団体RISEの伊藤隆代表、RIZINの運営団体などに対し、約1億3700万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こしたのだ。

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