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荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

<104>東京で一番の下町・京島 横尾さんがY字路に興味あるって知ってりゃなぁ

公開日: 更新日:

 昔、『アサヒカメラ』がアジェの写真を見開きで、ばーって載せたことがあったのよ。それで、(写真評論家)伊奈信男さんが(写真家)木村伊兵衛さんに、「これ、アジェですね」って言ってたことがあったんだけど、その頃は、アジェってなんだ?っていうくらいの時期だったの。

■世の中っていうか、人生はたいして変わっていない

 アジェが撮ってる場所とは違うけど、パリへ実際に行ってみると、パリの街角はどこでも「な~んだ、アジェじゃないか」っていう感じだものなぁ。石の建物と舗道と、アジェの写真集で見たようなのばっかりですよ。だからさぁ、世の中っていうか、人生はたいして変わってないんだって、新しいものなんてないんだねぇ(笑)。

 そういうことがあるから、この京島の写真なんか見ると、もうワクワクするわけ。オレはまだアジェを引きずってるんだねぇ。アジェがまだいいと思うのよ。こういう光景にぶつかると、また行ってみようって思うんだよね。いまは「クルマド」になっちゃったけどね(荒木の造語で車の窓から撮影することを“クルマド”と呼ぶ)。

(構成=内田真由美)

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