歌手・俳優 松崎しげるさん「悪友だった円楽の分まで生きて生涯現役を貫きたい」

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松崎しげるさん(歌手・俳優/72歳)

♪美しい人生よ~と歌い上げる声は若々しくパワフル、今も変わらず“青年”のような松崎しげるさん。日焼けした精悍なルックスも健在だ。72歳。これからやりたいことを聞いた。

 ◇  ◇  ◇

70歳を越えたあたりから「これから何をやっていこうか」って自分に課題を課すようになりました。そりゃ髪もある、見た目は若い。でもね、首とか腰とか、悪いところもいっぱいあるから。しかも、今年は年齢を意識する大きな出来事がありました。

 ひとつは「永遠の若大将」加山雄三さん(85)の歌手活動引退宣言。加山さんはボクの憧れの人で、目標の人です。ずっとその大きな背中を見て育ってきました。芸能界に入って一緒に歌い、夢のような時間を過ごさせてもらった。なのに、その背中がなくなってしまうなんて。お辞めにならなくてもと思います。

 もうひとつは同学年の落語家・三遊亭円楽(享年72)が亡くなったことです。楽ちゃんとは中学時代からの悪友。通っていた中学校がすぐ隣で3階建ての校舎の屋上を行ったり来たりしていたんです。お互いに東京の下町のガキ大将って感じです。「粋なじじいになろう」なんて話をいつもしていました。だから、彼の訃報に接した時は10日ぐらい居ても立ってもいられない気持ちになりましたね。

 そんなことがあったから余計、自分は残りの人生をどう生きようかと考えざるを得ません。楽ちゃんは「みっともなくてもいいから、死ぬまでやります」と言っていたでしょ。ボクは楽ちゃんの分まで生きて生涯現役を貫こうと思います。

■60歳過ぎのメンバー集めて「ジジイバンド」をやる夢

 もともと中高時代から音楽に憧れバンドをやっていました。今は大人の世界でディナーショーをやったりしているので、今また60過ぎのメンバーを集めてオールジャンルの「G2」バンド……ジジイバンドと名付けてやろうという夢があります。それでアーティスト・松崎しげるの音楽を極めたいですね。自分たちのセピア色の青春時代を音楽にぶつけたい。

 じゃあ、そのために何か努力しているかっていうと、そうでもないんですけど(笑)。暴飲暴食で、酒は他人の2~3倍は飲むし。相変わらず学生の頃のまんまですから(笑)。

 今年で芸能生活54年になります。ソロになってから52年。コロナで2年遅れてソロ50周年記念アルバム、50 years of activity Album「a href="https://amzn.to/3sF48sS" target="_blank">1/2世紀~Self Selection~」を9月に出しました。この中で西田敏行と「夢に隠れましょ」という曲をデュオしています。

 お互いに売れる前から一緒に六本木で弾き語りしたギャラで豪遊し、1977年にボクが「愛のメモリー」を出してヒット、西やんは「森繁久弥にアドリブで返せる男」として売れた大親友です。今回のアルバムに「オレも参加する」と率先して協力してくれました。

 本番はファーストテイクでOK。レコーディングブースに入ってから1時間、それから飲みに行って5時間(笑)。変にセーブしない。それがストレス解消になっていますから。

 でも、たばこに火をつけることはなくなりました。ある番組で「このままたばこを吸っていたら余命7年」と言われました。たばこを吸っていると、奥さんと子供がボロボロ泣くようになっちゃって……。

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