カンニング竹山さん「あの世も何もないというのが僕の考え。生きている時がすべて」

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カンニング竹山(お笑い芸人/52歳)

 好奇心旺盛で多趣味、納得のいかないことにはハッキリ発言する姿勢や行動力などで存在感を発揮し、芸能界の第一線で活躍するカンニング竹山さん。自身の趣味についての本「カンニング竹山の50歳からのひとり趣味入門」を上梓。最近は命について考えることも多いという。竹山さんに聞いた。

 ◇   ◇   ◇

 オヤジが52歳で死んじゃったから、今の僕はオヤジが死んじゃった年齢です。やっぱり意識しますね。当時はまだ21、22歳。そんな年齢じゃ、死についてなんて考えたことがないですよ。オヤジが死んだ時は「え、人って死ぬんだ」って正直驚きました。しかも、脳出血で倒れて1週間で亡くなったんです。命って何なのか、人ってなんで死んじゃうんだろう、人間にとって宗教とはとか随分考えてきました。それで多分、同年齢の人よりもたくさん本を読んだりいろいろ調べたりしてきたと思います。

 人間はオギャーと生まれてから何が一番怖かったのかっていうと死だったんだな。だから、心安らかにするものがいろいろ生まれてきたんだなって思いました。そうやってグルグル考えて行き着いたのが死んだら何にもなくなる、あの世も何もないというのが僕の考えです。生きている時がすべてだ、と。

 相方も35歳で若くして亡くなってますし、僕だっていつどうなるかわからないという思いは常にあります。だからこそ今、好きなことをめいっぱいやって、めっちゃ楽しんだ方がいいなと思いますよね。

 経験できることはすべて経験してみたい。小型のヨットを楽しみたいとか、行ったことのない海外に行ってみたいとか、触れたことのない文化に触れてみたいとか。オーロラ見たり、南極行ったり。

 仕事でいえば、しゃべり手のプロになりたいという思いはずーっとありますよね。2008年から「放送禁止」って単独ライブを年1回やっているんですけど、泣いて笑って考えさせられたとお客さんの心をわしづかみにして帰したい。好評いただいたら次の年のハードルが上がるんで、年間通しての悩みであり、楽しみでもあります。

■40代で悩んでいる時にアドバイスしてくれた堺正章、木梨憲武

 遊びだ、仕事だと話しましたが、実は40代の頃、少し悩んでいた時期があったんです。仕事は順調なのに野球とか競馬とか大好きなものを観戦していても、「こんなことしていていいのかな」と考えてしまって100%、心から楽しむことができなくなっていました。

 そんな時に、大先輩の堺正章さんや「とんねるず」の木梨憲武さんから一人遊びやいろんなジャンルの人と遊ぶことの大切さ、仕事と遊びを分けるからつまらないんだと教わって変わりました。遊ぶことを本気で楽しめるようになったし、まだやったことがないことでも興味が少しでもあったら、とりあえずやってみる。楽しかったらもっとやる。それがビジネスになったら最高じゃないですか。

 最近だと「竹森ゴウ」という3人で組んでいる音楽ユニットです。楽曲を制作し、宣伝しようと思って突然、福岡のラジオ局のツテを頼って電話し、飛び入りで生放送3番組に出演しました。そうするとどんどん輪が広がって、全国47のラジオ局で曲をかけてもらうことができたんです。オモテ方+プロデューサーとしての作業ですよね。結果的に仕事になっているんですけど、金儲けを考えないでやっていく。それが楽しいんです。

 YouTubeもこんなにはやる前の12年前から、仲のいいディレクターとかと一緒にやっています。「竹山テレビジョン第二制作局」を立ち上げ、報道局、バラエティー、大阪ローカルと3つの分野のスタッフがいてその仲間とワイワイやっているのが楽しい。

 YouTubeの延長で、福島のゴールデンタイムの番組「カンニング竹山の福島のことなんて、誰もしらねぇじゃねえかよ!」(福島テレビ)が始まったこともあります。

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