最新回の朝ドラ「あんぱん」ウラの見所~嵩の“三星百貨店 包装紙”誕生秘話にそうだったのか!プロポーズよりそっちに感心
第18週「ふたりしてあるく 今がしあわせ」#88
【朝ドラのツボ!】
就職した嵩(北村匠海)は、複雑な表情ののぶ(今田美桜)に漫画は描き続けると言って安心させる。一方のぶは、法の整備が進む中で取りこぼしがあるのではと思案していた。
そんな中、嵩は中目黒に部屋を借りられることになり、のぶに改めて何か言いかける。そこに登美子(松嶋菜々子)が現れ、2人の結婚について触れる。
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【本日のツボ】
三星百貨店の包装紙
※※以下、ネタバレあります※※
三星百貨店にめでたく就職できた嵩。良かったですね。「天下の三星百貨店が宣伝に力を入れるって。なんか期待されているみたい」とのぶに報告していました。
嵩の性格からして、“天下の三星百貨店”などという言い方はしないように思うのですが、そういう些末なことを気にすると、「おむすび」に続いて「あんぱん」まで食べれなくなってしまいそうなので、ここはスルーしましょう。
のぶが嵩の就職をあまり喜んでいないように見えたのは、嵩が漫画をあきらめてしまうのではないか、ということのようで、「どんなに忙しくても漫画は描くから」という嵩の言葉に「ほんまに?」と目を輝かせていました。
どうでもいいことかもしれませんが、嵩が来ているのに、洗濯物を畳むのぶ。もんぺやら下着のようなものまであるように見えましたが、これはのぶのデリカシーの無さを表現しているものでしょうか。
ここぞという時に現れる“おじゃま虫”といい、笑わせようとしているのかなんなのか、謎ポイントばかり目についてしまいます。
それはともかく、そもそも、嵩ってそんなに漫画を描いていたかなあという感じ。記憶にあるのは、学生時代の「高知新報」に応募して賞をとったものと、月刊「くじら」の「ミス高知」という4コマ漫画で、どちらものぶをモデルしたものでした。
「ゲゲゲの女房」の向井理(水木しげるをモデルにした村井茂役)はもっと寝る間も惜しんで描いていたような……。
元純烈のLiLiCoダンナ・小田井涼平が登場
三星宣伝部に就職した嵩、「“意外にも”活躍しているよう」なのはよしとしても、社員が、通用口ではなく、百貨店の表玄関から出勤するのはいただけませんね。
とはいえ、月刊「くじら」ではあんなに仕事が遅かったのに、「相変わらず仕事が早いね」と褒められるのだから、この仕事は嵩に向いているようです。
「今度、包装紙を新調するんだ。それで猪俣先生にデザインをお願いしたんだが」。上司・出川部長の役は元純烈のLiLiCoダンナ小田井涼平でした。
「洋画家の花形、猪俣昇一郎先生ですか?」「そう。柳井くんね、夕方4時に田園調布のご自宅まで取りに行ってくれ」などと嵩に仕事をふっていましたが、新しい包装紙の完成、という大事な案件なのに、新人まかせでいいのか、と。
嵩が持ち帰ってきたデザインを前に、「なんだこれ? これ本当に猪俣先生のデザインか?」と出川部長。完成までに何度かやりとりしなかったんでしょうか。百貨店の顔でもある包装紙を一新するというのは結構なプロジェクトなんじゃないかと思うのですが…。
三越の包装紙をデザインしたのは有名だが
「三星の文字はこちらで書くようにと言われた」とのことで嵩が書き入れることに。
やなせたかしが三越の包装紙をデザインした、というのは有名な話ですが、書いたのは文字だけだったのですね。これは勉強になりました。
本日は、嵩が「千尋の分も、次郎さんの分も、僕が幸せにします。結婚してください」とのぶにプロポーズした記念日でしたが、と、同時に、「三越百貨店、包装紙誕生秘話」回でもあったこと、覚えておきましょう。
(桧山珠美/TVコラムニスト)