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スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。早大政治経済学部卒業後、博報堂に入社。在職中から音楽評論家として活動し、10冊超の著作を発表。2021年、55歳になったのを機に同社を早期退職。主な著書に「中森明菜の音楽1982-1991」「〈きゅんメロ〉の法則」「サブカルサラリーマンになろう」「大人のブルーハーツ」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた最新刊「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」(日刊現代/講談社)が絶賛発売中。最新刊「日本ポップス史 1966-2023: あの音楽家の何がすごかったのか」が発売中。ラジオDJとしても活躍。

書き手も「ロックンロール」しなくてどうする

公開日: 更新日:

追悼 渋谷陽一②

 今回も特別編として、先週、訃報が伝えられた音楽評論家・渋谷陽一の文章を紹介したい。

 前回は1979年のコラムだったが、今回は、76年3月24日に書かれたレッド・ツェッペリンの傑作アルバム「プレゼンス」のライナーノーツである。

──楽器のフレーズとかボーカルの質とかいったものを超えた、音がそこにあるという重く確かな存在感だけを感じさせる、全く申し分ないツェッペリンの巨大な音を前に、僕はひたすら自分が開かれていくのを感じる。

 当時の日本のツェッペリン・ファンのほとんどは渋谷陽一経由だったと聞くが、それもうなずける文章である。これを読んで「プレゼンス」を聴きたくならない音楽ファンは、今でも少ないのではないか。

 要するに「書き手もロックンロールする」ということ。

 平板な情報の平板な紹介ではなく、音楽から受けた自分なりの印象、心の揺れを、あくまで自分なりの筆致で書き切るということ。

 それこそが私が渋谷陽一から学んだいちばん大切なことだった。

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