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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

二宮和也「VIVANT」サプライズ出演“青白さ”の違和感 役所広司は髭・長髪・日焼け顔なのに…

公開日: 更新日:

 16日、日曜劇場「VIVANT」(TBS系)がスタートした。前宣伝はなく発表されたのはタイトルと主演・堺雅人以下、阿部寛二階堂ふみ松坂桃李役所広司ら主要キャストと、「半沢直樹」の福澤克雄のオリジナルストーリーで、彼が監督を務めることくらい。どんな物語なのかは明らかにされず。さらに、注目は第1話で未発表の最後の1人が明かされるということだった。

 ラストシーン。広大な平原を、役所広司とともに馬を走らせて現れたのは二宮和也だった。「父さん、悲しいお知らせがあります」と二宮が話しかけた。2人とも現地の言葉を話しており、日本人ではなさそう。役所は長髪に髭をたくわえ、日焼けした顔は現地の人に見える。

 一方の二宮はというと同じところに暮らしているとは思えないほど青白い。昨日飛行機でやってきましたという感じの小奇麗さで、違和感があった。青白い理由が後々明らかになるかもしれないが、そもそも二宮をサプライズにした意味がわからない。

 二宮といえば映画「硫黄島からの手紙」に出演し、ハリウッドデビューもしている。吉永小百合と共演した山田洋次監督「母と暮せば」で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞に選ばれ、ジャニーズでは演技派として知られている。だが、役になり切っている役所とモヤシっ子のような二宮の差は埋めようもない。

「西部警察」の石原軍団もビックリの爆破シーンやカーチェイス、ヤギの大群の暴走など超ド級の迫力シーンはドラマの枠に収まらないスケールを感じさせた。

 大河ドラマですらCGを多用する時代で、すっかりCG慣れした視聴者も砂漠や爆破のシーンのリアルさには驚くはず。いかに今のショボいドラマに慣らされているかの裏返しでもあるが。ホンモノの迫力をこれでもかと見せつけるドラマの中で二宮だけが明らかに浮いていた。

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