「ジャニーズ性加害問題」は村西とおるが35年前に糾弾! 北公次“暴露本”を構成した作家が証言

公開日: 更新日:

BBC顔負け…7人の元Jr.の告発動画

 さらにそのドキュメンタリー映像の中には、7人もの元ジャニーズJr.の告白映像(一部顔にボカシあり)が収録されており、一様にジャニー氏からの被害を赤裸々に語っている。ことし2月に放送されたBBCのドキュメンタリー番組のはるか以前の35年前に“実名顔出し”の告発映像が撮られていたことに驚く。貴重な映像を前に、観客も思わず固唾をのむ。

「1988年の段階で、すでにジャニーズ事務所に対する自粛や忖度は存在していた。村西監督は、周囲からクレージーだと言われながら、たったひとりでジャニーズ事務所と戦っていました。撮影にあたっては“何としてもケツを掘られた少年を探すんです。ケツです、ケツ”と何度も言っていました(笑)」(本橋氏)

 ビデオに登場した告発者のひとりに、現在「当事者の会」代表である平本淳也氏(当時23)がいた。平本氏はその後、被害に遭ったメンバーと共に「新・光GENJI」(後の「SHADOW」)として活動するが、やがて本橋氏のことを“師匠”と呼ぶようになり、ジャニーズ事務所の内情に通じる作家に転身。平本氏はこう語った。

「僕の本は“暴露本”と言われていましたが、今は“告発本”と言われるようになりました(笑)。BBCからは5年ほど前にアプローチがあって協力させていただきました」

 副代表の石丸氏が続ける。

■「殴られる、蹴られる、そして襲われる」

「私はかつてスターになることを本気で目指していました。ジャニーズ事務所に入り、厳しいレッスンで灰皿が飛んでくるのと同じ感覚で“殴られる、蹴られる、そして襲われる”ことは当たり前だと思っていた。洗脳されていたんです。これから芸能界を目指す人のためにも、そうしたことが起こらないよう活動を続けていきます」

「当事者の会」メンバーの中では比較的若い、大島幸広氏、中村一也氏のふたりは、35年前の元Jrの告白を初めて見たと言い、自分たちが受けた被害とやり口が全く変わっていないことに驚いていた。最後に本橋氏はこうまとめた。

「これが女性だったら大問題になっていたはずです。しかし当時はLGBTという概念もなく、警察にも男性の性被害など相手にしてもらえなかった。35万人もの人が本を読んでいながら、なぜあの時、変わらなかったのか……」

 今回の著書では、その内幕が惜しみなくつづられている。“前科7犯のこの男に、今こそ全国民は謝るべきだ”というオビの文言の案もあったという。改めて“戦後最大のタブー”であるこの問題の根深さが浮き彫りになった格好だ。

(取材・文=平川隆一/日刊ゲンダイ

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束