著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

有吉弘行の“ドS”本領発揮 「脱法TV」でコンプラの「OKとNGの基準が曖昧」と言い放つ

公開日: 更新日:

 昨今のバラエティー番組でイラッとするのは昔の番組を見ながら「今だったらできない」などと言っている連中だ。やってもみないで「コンプライアンスが──」「スポンサーが──」などと言い訳し、生ぬるい番組ばかり作る。気の抜けた炭酸水のようなものを見せられるこっちの身にもなってみろ、だ。

 13日深夜「有吉弘行の脱法TV」(フジテレビ系)を見てそんな怒りが少しだけ治まった。合法でも違法でもなく、脱法という言葉のチョイスがいい。中身は現在の「テレビでできないとされていること」を、抜け穴を探して実現しようとするもの。以前、当欄で取り上げたテレビ熊本の「テレビは終わった」にも通じるテレビ業界覚醒番組といったところか。

 そもそもは有吉の密着番組をやるはずが、取材スタッフと有吉が「テレビのNG」について話す中でこういう番組の方がいいと有吉が言い出して番組になったという体だ。

「フジテレビで言ったら落とし穴は駄目でしょ。クレームいっぱいくるから。でも、芸人なんてケガしたってやりたいやついっぱいいるんだからやらしてよ」と有吉。さらに「乳首はダメなんですか」とスタッフに問う。

「乳首だけではないですけど、基本的に地上波で卑猥なものを映すっていうのは……」

 その言葉に反応する有吉。紙に大きな丸を2つそれぞれの中心に小さな黒い丸を描き自分の胸にあててスタッフに見せた。

「それはOK」というスタッフに「これなんでOKなの?」と。「それは卑猥じゃないから」「卑猥じゃないって誰が決めんのよ」うんぬん。その後もやりとりがあって「OKとNGの基準が曖昧なんだよ、凄く」と吐き捨てるように言う。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「マラソン」と「大腸がん」に関連あり? ランナー100人への調査結果が全米で大きな波紋

  2. 2

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態

  3. 3

    高市総裁「首相指名」に漂う不安…自民党内は“厭戦ムード”も燻る火種、飛び交う「怪文書」の中身

  4. 4

    秋季関東大会で横浜高と再戦浮上、27連勝を止めた「今春の1勝」は半年を経てどう作用するか

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    高市自民、公明からの三行半で早くも本性露呈…「やられたら秒でやり返す」「イキらなきゃ負け」のオラオラ体質

  2. 7

    出来たとしても高市政権は短命…誰も見通せない激動政局の行方を徹底分析(前編)

  3. 8

    佐川宣寿元理財局長のメール開示「遺族と話し合う」…森友文書で加藤財務大臣が明言

  4. 9

    進次郎氏落選もダメージなし? 妻・滝川クリステルが目指した「幸せ家庭生活」と耳にしていた夫の実力

  5. 10

    侍J井端監督 強化試合メンバー発表の裏に「3つの深謀遠慮」…巨人・岡本和真が当選のまさか