著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

小泉今日子さん、和田靜香さんとの「50代シャベリバ」で僕が強く共感したこと

公開日: 更新日:

50代だから、われわれは言い続けるしかない(by小泉今日子)

 トークは終始愉しく穏やかなムードで進んだ。だが、弛緩すれど止まらず。ゆるくなる瞬間はあっても、ぬるくはならない。これも50代クオリティ。

 その模様を完全収録したアーカイブ動画がB&Bのサイトで4月18日まで販売されているので、ご興味のある方はご覧いただくとして。ここではネタバレにならぬ範囲で、ぼくが特につよく共感した小泉さん発言を引用したい。

「怒りとか、怒ることとか、思ってることを言うとか。声を上げることに対して、すごく否定的に捉えられちゃうことが多くて。こんなおかしな世の中になってて、怒らないほうがおかしいと私は普通に思うんだけど。怒ってると『ああ、売れなくなったから左に寄りやがった』みたいなこと書かれたりして。まっすぐ立ってますけど!(場内爆笑) どうにかしてそういう声をショボーンと小さくさせようとする意地悪な感じがある。でも50代だから、われわれは言い続けるしかないなと。命をかけて(笑)。というか(この先の人生は)そんなに長くもないから、(若い世代のために)ちゃんと立っててあげないと」

 そこで反射的に「長生きしましょう!」と口を挟んでしまったぼくに、小泉さんは微笑みを浮かべて「そう、長生きするけど」と返してきた。この国の誰もが知る、あの声で。

 終演後の楽屋で、ぼくたちは写真を撮った。28年前と同じポーズ。一瞬で〈穴〉を抜けてタイムスリップした気分。38年という時間を行き来する『ふてほど』には敵わないけれど。そういえば、イベントで小泉さんはこうも話していたっけ。

「時間って縦だけじゃなくて横もあると思って。今の自分が一歩前に踏み出すと、過去の自分も、未来の自分も、一歩踏み出せるんじゃないかな」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  2. 2

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 3

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  4. 4

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  5. 5

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  1. 6

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

  2. 7

    森下千里氏が「環境大臣政務官」に“スピード出世”! 今井絵理子氏、生稲晃子氏ら先輩タレント議員を脅かす議員内序列と評判

  3. 8

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  4. 9

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  5. 10

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情