悪名高い「人質司法」を訴えた角川歴彦KADOKAWA元会長の勇気

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 相手が高齢でも深刻な病気持ちでも容赦はしない。保釈申請を何度出しても、検察のいいなりの裁判所はこれを認めない。追い詰められ精根尽き果てた被疑者は、検察側の作文である自白調書に押印を押してしまう。なかには失意の末に拘置所内で死を選ぶ者もいる。

 最近は取り調べの可視化が義務付けられるようになったから、そんなバカなことは行われないという声がある。だが、可視化を義務付けているのは裁判員裁判対象事件などで2~3%程度だといわれる。それに検察はビデオの“改ざん”などお手の物である。

 だが、ようやくここへきて、人質司法は憲法に違反した人権侵害であると国を相手取り、訴訟を起こした男がいる。出版社KADOKAWA元会長の角川歴彦(80)である。

 角川は東京五輪のスポンサー選定を巡って五輪組織委の高橋治之に賄賂を渡した容疑で逮捕されたが、過酷な取り調べにも屈せず容疑を否認し続けた。重い心臓の病があり何度も倒れたが、保釈が認められたのは226日後だった。

 角川は週刊文春(7月4日号)で、何とか出られないかと拘置所の医務室で漏らした時、医者から「死なないとここから出られません」と吐き捨てるようにいわれたという。

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