著者のコラム一覧
スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。昭和歌謡から最新ヒット曲まで幅広いジャンルの楽曲を、社会的な視点からも読み解く。主な著者に「中森明菜の音楽1982-1991」「大人のブルーハーツ」「日本ポップス史 1966-2023」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」、最新刊「日本の新しい音楽1975~」は大好評。ラジオDJとしても活躍。

アルバム「TOKIO」は、歌謡界から早々と新たな潮流に照準を合わせていた

公開日: 更新日:

アルバム「TOKIO」(1979年11月25日発売)①

 さて、ここで1979年の暮れに少しだけ時間を巻き戻す。このアルバムはタイトル通り、すでにご紹介した翌80年元日発売のシングル「TOKIO」が収録されたものである(ただし、アルバムに収録されているのはシングルよりも長いバージョン)。

 このアルバムの2カ月前に発売されたのが、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のアルバム「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」だ。LP+カセットで102.1万枚と売れに売れ、「テクノポップ」という音楽、そして「ニューウェーブ」というムーブメントを日本に、そして世界にもたらした。

 改めてニューウェーブについて説明しておくと、機械的、無機的、(重厚長大の対義語としての)軽薄短小な価値観を愛でるムーブメント、くらいの意味となる。

 そして、ニューウェーブの象徴が70年代の長髪から短髪へ、さらにはYMOメンバーのもみあげを切り落とした「テクノカット」への変化だ(ただし、沢田研二が本格的な短髪にするのはもう少し後のこと)。

 そんなムーブメントに、歌謡界から早々と照準を合わせたアルバムが「TOKIO」だった。

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